リーンマネジメント~変化を生き抜く知恵!【リーンマネジメントの深堀り知識:第1回】
寄稿:Gemba Smile
皆さんの職場ではどんなお悩みをお抱えですか?特に「PDCAが回らない」「マネジメントと現場のギャップ」「仕事が属人化している」「同じミスを繰り返す」などは、業界を問わずどんな会社でも聞かれる課題です。
こうしたお悩みを解消する有効な手段のひとつとして、「リーンマネジメント」があげられます。実践されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回のコラム「リーンマネジメントの深堀り知識」では全10回にわたり、その理論やメリットを深堀りし、様々な実践手法をご紹介。回を重ねるごとに、リーンマネジメントをより具体的に理解し、日々の実践に活かしていただくことをを目指します。
第1回目は、「全体像の理解」をテーマに選びました。
リーンマネジメントとは?
リーンマネジメントとは、最少資源でお客様の要望を実現し続けるために、仕事のムダを見つけて解消する経営手法です。ビジネス環境の変化が激しい近年、仕事には様々なひずみが生じ、ムダが増え続ける傾向にあります。そのようなリスクを避けるためには、組織全体の仕事が可視化され、作業や活動のムダがひと目でわかり、それを解消し続ける仕組みが必要になります。
リーンマネジメントの基本は「PDCA」と「SDCA」
その仕組みが 「PDCA」と「SDCA」です。組織活動全体をこの2つのサイクルで回していきます。それぞれ次のような4つのステップで構成されています。
●PDCA=「Plan(計画)→Do(実行)→Check(見直し)→Act(更新)」の略。
●SDCA=「Standardize(標準化)→Do(実行)→Check(見直し)→Act(更新)」の略。
これらのサイクルは、相互補完的に働き、PDCAが中長期的な変化に、SDCAが日々の変化に対応。後者のSDCAは現場での継続的改善を担い、その効果を前者のPDCAがビジネスの発展に活かしてお客様の要望を実現し続けます。
組織全体に浸透させるアプローチ法は?
リーンマネジメントは、より少ない資源で顧客価値の最大化を狙う経営手法であり、その仕組みを理解して実践することで、あらゆるビジネスの生産性と持続可能な成長を目指すことができます。
しかし、そうした仕組みを組織全体に浸透させるのは容易ではありません。
そのためには、ミドルマネジメントがリーンマネジメントの理論や仕組みを“正しく”理解し、その効果をビジネスや現場に定着するためのプログラムが重要となります。経営と現場をつなぐミドルマネジメントの腹落ちがあってこそ、リーンマネジメントが日々の業務に活かされるようになるのです。
さらに、リーンな思考を組織文化の一部として根付かせるためには、トップマネジメントのサポートが欠かせません。ピラミッド型の組織では放っておくと、仕事の効率を求めるため上意下達のコミュニケーションが幅を利かせます。組織のボトムアップが進むコミュニケーションをトップマネジメントが求め続ける姿勢こそが、リーンマネジメントの仕組みを動かし続け、組織の体質を変えていくのです。