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JEMCO通信

2024-08-02 働き方改革 人材育成の大切なこと

ISO認証のお悩みを解消!手順書のススメ 【リーンマネジメントの深堀り知識:第5回】

寄稿:Gemba Smile

コラム「リーンマネジメントの深堀り知識」では全10回にわたり、リーンマネジメントの原則や手法に関するメリットをより詳しく深堀りし、実践的な知識を提供。全10回を通じて、リーンマネジメントのメリットをより具体的かつ実践的な視点から理解していただくことを目指します。
第5回目の今回は「ISO認証」についてお話します。
*ISOとは:1947年にスイスのジュネーブで設立されたInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称です。ISOが定める規格は、製品やサービス、マネジメントシステムに関して、世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにするための標準的な規格として認知されています。

ISO認定企業に共通する悩みとは?

日本企業に広く知られているISO認証。お客様の信頼を得てビジネスを拡大することができるため、導入されている企業も多いかと思います。このISO認証には多くのメリットがある一方で、難点も存在します。

最もよく見られるのが、「チェックリストが年々増えてしまうこと」です。ISO認定の更新が目的化し、せっかく作った手順書を更新せずに、単にチェック工程を増やしているケースです。

使えない手順書になっていないか?

しかし、手順書の更新が進まない本当の理由は他にあります。それは“作業者目線”ではなく、“管理者目線”で作られてしまっていることです。ISO認証を取得するために突貫工事で作られた手順書は、現場作業で使えず、改善にも適さないため、結果的にチェックリストが増えてしまっているのです。

では、使える手順書とはどのようなものでしょうか。

皆が使いたがる手順書とは?「目的」と「リスク」を明確に

ISO認証のように、管理を目的に作成された手順書に欠けている一つ目の要素が所要時間です。そもそも時間がわからなければ生産性を測ることもできませんが、ISO認証では求められないためか、作業時間のない手順書を多く見かけます。何をすべきかはわかっても、どれくらいの時間をかけたらよいのかわからず、作業現場では使えません。

また、手順書を作成しても共有が進まなければ意味がありません。そこで効果を発揮するのが、「目的」と「リスク」です。誰しもその作業が何のために行われるのか知りたいし、リスクは避けたいものです。そもそも手順書とは、目的を実現し、リスクを回避するためのノウハウであり、それを知った上で作業にあたりたいのは皆同じ。現場での共有を進めるためにも、手順毎の目的とリスクを明確に記述してみましょう。

本質的改善でISO認証を更新

以上のように手順書を見直したら、作業者の間でそれがやり易いかを常にチェックしていきます。本当に目的を達成できるのか、リスクは回避できるのか、時間内に完了することができるのか。そこで課題が見つかったら更新のチャンスです。真因を探って対策を打ち、うまくいったらその手順書を更新します。

チェックリストをこれ以上増やさず、減らしていくことができれば、本質的な作業工程の改善が進み、ISOが本来目指すマネジメントシステムの強化につながります。ぜひ、一度試してみてください。

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