生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第12回 判断と相談】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。これからこの「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしてまいります。
12回目の今回は、「判断と相談」についてです。
目の動きは作業をする上で大きな影響を与える
作業の途中で判断に迷うことがあります。「このキズは不良になるか否か」「出来栄えが合格かどうか」など、特に判定ギリギリの部分で人は迷います。自分で判断できないときには誰かに相談することもあるのではないでしょうか。
これらの動きは作業を止めるロスです。
判断が必要=基準が不明確
判断が必要ということは、基準が不明確であるということになります。
自分で判断できないから誰かに相談し、そこで結論が出ないともっとベテランの人やリーダーなどの監督者に相談するのではないでしょうか。あるいは、作業場所で何人か集まって協議するということにもなりかねません。そのようなことが、実に多くの人の時間を奪うことになる可能性があるわけです。
問題が起きたらすぐ相談するのは大事なことです。しかし、判断できるように基準を明確にして、自信をもって作業にあたれるように十分な教育も欠かせません。
作業内容を一目でわかるようにするだけでもロスが削減
新人の作業者は、自分の仕事が完全に掴めていないことが多いはずです。1つの作業が終わったら次に何をしたらいいのか、手順が頭に入っていないので一瞬考えたりします。「次に何をしたらいいのか」と監督者に聞きに行くこともあるでしょう。
これは生産管理の問題です。今日の作業の内容を一目でわかるような管理板を用いて作業者に知らせる・・・。これだけで随分とロスが削減できるはずです。
判断要素を抽出し対策すると作業時間の短縮が図れる
作業手順については、様々な方法で迷うことなく作業が続けられるようにしてあげなければなりません。例えば、下記の方法な度があります。
・標準書を作成して掲示する
・モニターに映し出す
・図示化する
工場の中の作業中の判断要素を徹底的に抽出し対策することで、作業時間の短縮が大きく図れるので、ぜひ実施してみてください。