生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第27回 モノの送り方】
文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊
皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしてまいります。
27回目の今回は、「モノの送り方」についてです。
「モノの送り方」数量面から見たときの3つの方法
ライン設計上で大事なことに「モノの送り方」があります。
数量面から見たときの分類は3つあります。
①1個送り
1個加工したら次の工程に送る
②バッチ送り
1バッチ分まとめて加工して送る
③ダンゴ送り
数バッチまとめて送る
「モノの送り方」工程間の停滞のさせ方での4つの方法
工程間の停滞のさせ方での分類は下記の4つです。
①完全送り
工程バランスを取って同期させ、1個あるいは1バッチ加工して次に送ると同時に前工程から同じ数だけ送られてくる方式。全く工程間の仕掛りを持たない方法
②1単位送り
工程と工程の間に1単位だけ仕掛品を置く方式。完全なる同期を取る必要はないが、できるだけ合わせておかないと溜りが発生する
③自由送り
自分の工程の加工が終わったら、1個次の工程に送るが、同期を取らずに出来上がったらすぐ送る方法。特に仕掛り数に制約を設けない。コントロールしないと仕掛品が溜まる
④まとめ送り
工程間に仕掛品を持つ方法。これが最小なのが②の1単位送り。同期が取れないラインではこうならざるを得ない。工程が離れている場合は必然的にこの送り方になる
最も効率的なのは「1個の完全送り」
最も効率的なのは「1個の完全送り」です。これは、工程の同期が高度に取れていることが条件になります。これがうまく取れていないとネックにタイミングを合わせざるを得ないので、ネック以外に遊びが生じます。
電機関係の工場では、この完全1個送りが採用されているところが多いようです。その場合、コンベヤーや送り装置を使ってタイミングを決めてしまうことでスピードが固定され、出来高が読めるので管理はしやすくなります。