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JEMCO通信

2025-04-09 生産の基本論

生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第31回 部品の供給】

文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊

皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしています。
31回目の今回は、「部品の供給」についてです。

作業者に作業に集中してもらうには?

作業者に作業に集中して効率を高めてもらうためには、どうすべきでしょうか。そのためには、作業者自身が材料や部品を取りに行くのをやめなければなりません。
この「取りに行くという行為」は作業を中断させ、ペースを乱し、作業再開時にもとのペースに戻るまでのタイムロスが生じます。作業者は、工程を離れたくないという心理が働き、材料や部品をまとめて持ってきたがります。一度にたくさん材料を運んでしまえば取りに行く回数が減る、という計算からの行動でしょう。

一度にたくさん材料を運ぶことで生まれる“ロス”

一度にたくさん材料を運べば、取りに行く回数は減りますが、代わりに違うロスが生じます。
それは「ストックの増大」と「整頓時間の発生」です。材料をたくさん運んでくれば、たくさん溜まってしまいます。在庫増大という点からみても好ましくありません。たくさんの材料が置かれているところでは、材料を並べ替えたり、入れ替えたり、探したりといった整頓のロスがどうしても発生します。

作業者以外の人が供給する

ではどうするか。作業者以外の人が供給してあげればいいのです。
それも、頻度を高くして必要量だけを供給するのです。1ロットなど、一定量の単位で供給するのがいいでしょう。そして、次の1ロットを供給するための材料・部品を近くに用意しておきます。ただしこれも、1ロットだけ。それ以上になるとまとめ運搬と同じことになります。

必要な部品を1ロット分まとめて供給する「配膳」

必要な部品を1ロット分まとめて供給する方法を「配膳」といいます。配膳担当者が、材料や部品の置き場所から次に必要な部品を台車などに準備することで、作業者は動く必要がなくなります。できれば、作業者が配膳台車から直接材料を取れるようにするのが望ましいです。部品を取るために作業者が動かなくてもいいような、作業場所の配置と供給方法を検討してください。

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