「知っているはず!やっているはず!」の落とし穴│今さら聞けない教えられない悩み
文責:ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 櫻内 康章
代表的な経営管理技術の一つにVE(バリュー・エンジニアリング)がある。特に製造業では商品企画やコストダウンなどの取組みにおいて、何十年も前から活用されていることは周知の通りだ。VE推進室、VE統括室といったVE担当の部署も組織され、「VEは十分やっています…」との声もよくお聞きする。
しかしそんな中でも、当社のVEをベースとしたコンサルティングやワークショップ研修を導入いただいているのはなぜなのだろうか?
以前、VEの専門部署もある電機メーカーの専務様から、こんな話をお聞きしました。
― 当社では、VEによるコストダウン設計はもう40数年続けていて、相対的にはかなり進んでいる。従って、自分たちが勉強し身に付けたことを、当然若い人も分かっているだろうと思っていた。ところが最近見てみると、何となくVEをやっている。きちんとした勉強もしていないし、考え方や手法というのも知らない。当然のことながらVEの効果金額も少ないものになってきている。
基本的なことを理解しないで漠然とやっているな、ということを強く感じ、ここで一度きちんとした教育を受けさせる必要がある、ということでJEMCOにコンサルをお願いした。
JEMCOのプログラムは非常によく整理されていて、我々が勉強したVEとは違った、いまの時代に合ったメソッド、やり方だなと大変感心している… ― と。
こうした背景は他社様からも同様にお聞きする。
「会社としては基本的なことは教育していたし、当然やられているはず…」が、そうなっていないことが多く、いざ教えようとしてもベテランがいなかったり、いても教えるためのプログラムとして整備されていなかったり、逆に、いまさら聞けないとか、教わりたい時に教えてもらえない…というのが実態のようである。
要は、“基本的なことだから知っているはず、やっているはず”が、実はそうではない。仮にそれに気づいても、“いまさら聞けない、きちんと教えられるベテランがいない、いてもタイミングよく教える時間がとれない…”などがネックとなり、対応に苦慮されているわけだ。
当社には、VEに限らず、コスト見積もりや意識改革、改善に対する考え方といった、業務遂行上のベーシックなスキルや手法をきちんと身に付けさせたいというニーズも多く寄せられている。
日頃はお客様先に伺ってコンサルティングや研修を行っているが、いつでも、どこでも、手軽に学べる、という点においては、以前はお応えできておらず。
そこで、「いつでも教えられる人やプログラムがない。いつでも勉強できる環境にない。教わったが忘れてしまったので改めて勉強したい(させたい)…」などの要望にお応えするために「Webアカデミー」を開設するに至り、現在はeラーニングを始めとする個人向け学習支援ツールを提供している。
・コスト査定や価値革新(VE)、課題解決のベースになる意識改革や改善視点など、基本的、永続的なスキルにフォーカスし、コアとなる改善技法をテーマアップ
・コンサルタントがコンテンツを作成、監修し、コンサルティングのエキスを網羅した実務的、実践的な内容
・“知っている、やっているはず…”から“出来る、成果を出す、成長する”への転換を促進
・集合研修に比べ、時間的、物理的、予算的制約にあまり縛られることがなく個々に学べる 等
の特徴が注目され、“いまさら聞けない”“いまさら教えられない”の解決の一助として、有効活用頂いている。