日本の技術の守り神-1|技術やノウハウの継承のリスク!
文責:ジェムコ日本経営 ニュービジネス開発事業部 財田 和典
昨今、経営コンサルティングとは別に、技術コンサルティングに関するお問い合わせ、その対応が急激に増えています。 このところ日本の製造業が強さを取り戻そうという動きの中、新興国をはじめとするグローバルでの競争優位を確保する上で、改めて技能・技術の伝承、技術者の育成といった取り組みに各社様が注力されていることを受け、“ものづくりに関わる技術”周りのご相談が弊社にも多く寄せられています。
そこで、弊社では数年前から「技術コンサルティング」事業を展開し、これらのご要望にお応えしております。
2010年の秋、ある産業振興財団の理事長様が「我が国におけるものづくりの危惧」という講演で次のようなことを話されていました。―いわゆる2007年問題で、「団塊の世代」が大量に定年退職し、とりわけ技術やノウハウの継承のリスクを大いに危惧されておられました。定年を迎えた、あるいは定年間近のベテランの技術者・技能者の処遇対応との兼ね合いもあり、今日、貴重な技術、技能が不本意な形で新興国企業へ流出してしまった、という困った事態も生まれています。
優れた技術を有する企業には、必ず技術の核となる人材がいます。「技術の神様」は日本にいてこそ、「日本の技術の守り神」です!!と。この事もきっかけの一つとして、当社も「技術コンサルティング」サービスを本格的にスタートさせました。まさに、日本のものづくりを支える「技術の神様」事業です。
以来、おかげさまで、ご活用いただく企業様およびご相談頂く案件(分野・領域の拡大)もどんどん増えています。
◆導入企業の声
導入いただいた一例として、お客様から次のような声をいただきました。
―当社は鋳物メーカーではないので鋳物の技術者がいない。しかし鋳物は機械の根本の技術であり、これまで外注先の鋳物メーカーに依存していたので技術的に弱かった。今回ジェムコの指導を受け、技術の肝の部分の改善ができた。
仕掛仕損費も1/5になった。 技術も我々の中に残っていく。
技術資料としてまとめられたものが財産になる。
普通の教科書では得られない知見(実際に見て得た知識)が得られた。
技術コンサルタントには鋳物メーカーの現場に足を運んでもらい、鋳物ベンダーの評価をしてもらった。毎回、レポートも残してくれる。
これまでは当社の担当が鋳物メーカーの方から教えてもらっていたぐらいで、とてもベンダーの指導はできなかった。
今回の技術コンサルタント、まさに“鋳物の神様”に鋳物の知識を教わった。
一方、経営コンサルタントには、前回「コスト競争力強化」の指導を受けた。設計段階から機会損失を発見し、コスト改善する活動で、おかげさまで40%近くのコスト低減の実成果が出た。 経営コンサルタントは、当社の機械(製品)そのものの知識は無いが、独自の原価低減手法、他の業界での手法など、我々にない原価低減のやり方をご存知だった。「何故、その活動が自分たちでできないのか」という社内の人間もいたが、我々は経験がないのでできない。何故、自分たちでできないのか…。
それは、自分自身で自己否定はできないからだ。経営コンサルタントは、いわば触媒だ。自分自身が変化するより、他を変化させる触媒である。
一方、技術コンサルタントは、自分自身が化学反応をしてもらえた。例えるなら、魚の釣り方を教えるのが経営コンサルタント。魚そのものを釣るのが技術コンサルタントでしょうか…。
ジェムコに経営コンサルティングと技術コンサルティングの両面で経営課題解決の支援をしてもらえることは、当社の事業展開において非常に役立っています。