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Case

導入事例

自ら考え、周りを動かして課題を解決していく組織を目指す「働き方向上活動」

第2回 実際の活動はどのようなものだった?
今回の活動が一人ひとりの成長のきっかけに

株式会社ENEOS NUC

Contents 01

はじめに

ENEOSグループの一員として、高い技術・開発力を基盤に、高機能ポリエチレン製品を開発・製造・販売している株式会社ENEOS NUC。
今回、ジェムコ日本経営とともに「働き方向上活動」に取り組むことになりました。3回連載でその活動内容などについてご紹介させていただきます。

第2回目は、今回の取り組みに参加していただいた川崎工業所の部署の中でも、大変効果的な活動になったという、製造第1グループ グループマネージャー(GM)・鈴木純氏、職長・小林久志氏、製造第2グループ GM・澤井勉氏、職長・岩本洋二氏にご登場いただきます。実際の活動内容などについて、今回の活動を担当したジェムコ日本経営のコンサルタント・大西徹とともに活動を振り返っていただきました。

コンサルタントの大西(写真中央)がお話を聞かせていただきました

Contents 02

活動のテーマ
「成長する姿の見える化による職場で働く意欲の向上」

大西:今回の取り組みでは、製造第1グループ・2グループの各4名、合計8名の職長のみなさんと月一回程度の面談を数回させていただきました。面談の結果は、個人ごとにシートにまとめ “見える化”。面談後には、GMのみなさんにも報告のお時間をいただきました。
そこで浮かび上がってきた課題をもとに、この2つのグループでは「成長する姿の見える化による職場で働く意欲の向上」を大きなテーマとして、働き方向上の取り組みをすることになりました。その中でも、製造第1グループは「職長・チーフなどの次世代候補育成」に関するチャレンジを実行しました。

小林氏:当時、若年層の離職率が高く、世代交代に支障が出つつありました。職長数名が定年を迎えることもあり早期に次の職長を育てないといけない状況も活動を後押ししました。

大西:製造第2グループは、「新人教育の仕組みづくり」という視点のお話がでてきました。

岩本氏:教育というのは常に課題でした。現場の運転員も日々の業務が忙しく勉強をする時間もない状況でしたから、より上を目指す環境を作るということは課題でした。

大西:仕事を「見える化」して、日々の業務を効率よく進める仕組みを作っていく中で、若手の方からもすごく意見が出てきていましたね。

岩本氏:実際に出た意見の中から「記録類の電子化」について運用が進んでいます。このように、実際に取り組みが進んでいることもあり、運転員からも活発に意見が出るようになってきました。第2グループは月に1度、職長会を行い問題点など話し合っていますが、最近はチーフオペレーターも参加。意見交換が様々な場面で活発にできるようになりました。

Contents 03

2グループの新たなチャレンジ
「みんなで協力して新人教育をする」

大西:2Gでは、「みんなで協力して新人教育をする」という意見も上がってきていました。

岩本氏:すでにローテーションして教育をする、ということを実施しています。教えるということは得意・不得意があります。この方法をとったことで、これまで一人の教育担当にかかっていた負担が軽減されたと思います。かつ新人の成長の度合いなど、班単位で情報を共有することができています。

澤井氏:「みんなで育てていく」という意識が生まれたと思います。教える側も知識がないといけないから、自分自身も学ぶようになりますよね。また、どこかでつまずいたときに「こういう教育資料があればいい」ということを共有できるようになってきています。
今回ジェムコさんに入ってもらってよかったことの一つとして、「自分たちの問題はどこにあって、何をやったら解決できるのか」を一人ひとりが考えられるようになったということ。職長や大西さんとは随時やりとりしていたので、つまずいた時も方向性を決めてすぐ対応できました。これまでトップダウンで仕事が流れていることが多くやらされ感を持っていた人もいたかと思いますが、かなり環境も変化してたのではないでしょうか。

写真左から製造第2グループ GM・澤井勉氏、職長・岩本洋二氏

Contents 04

1グループは「人材育成目標の作成」から
さまざまな効果が

大西:第1グループの中ではもう一つ、「人材育成目標の作成」という大変なチャレンジを行われました。

小林氏:現場の運転員から、サブチーフ、チーフ、職長というように成長していく道筋をちゃんと見せることが大切と考えました。「職長として、チーフとして何ができないといけないのか」ということを盛り込んだ、職位別の「育成表」を作る取り組みを行っています。これまでクリアになっていなかったところを見える化することで、「ここまでできるようになれば職長になれるんだ」と成長への意識を持つきっかけになったと思います。

鈴木氏:最近職長になったものが2名いるのですが、これまであまり経験していなかった業務に少し弱点があり、本人たちもそれを理解しています。そういうことをわかっている人が、「こういうことを今のうちからさせておいた方がいいだろう」ということを考え、育成表をアップデートしてくれたら、よりよい育成計画ができると思っています。

大西:育成表ができたことで若手のみなさんに変化はありますか?

鈴木氏:漠然としていたものが見える化されたことで「職長もそんなに高い壁ではなのではないか」と感じ、「上を目指すしたい」という人も増えてきました。さらに育成表をアップデートし、やる気のある人を見つけ伸ばしていく環境を作っていきたいですね。
また、評価するときの一つの指標としても使えるようになったのもよい効果だったと思います。これまで「Aさんをどう評価しているのか?」というとき明確な指標がありませんでした。今回の育成表があれば、今後公正な評価ができ、評価される側も納得感があるのではないでしょうか。

大西:役職ごとにキャリアが見えてくる育成表はもちろんですが、それ以外に「個人別育成計画」を作るという話もされていましたが、今はどのような進捗状況でしょうか。

小林氏:個人にはまだ全員には落とし込めてはいませんが、今後取り組みたいと思っているところです。

澤井氏:今回の第1グループの取り組みについては会社として水平展開をしたいという思いもあるので、ゆくゆくは第2グループでも行うつもりです。第1グループのいい取り組みは吸収させてもらって、よりよくしていきたいと思っています。

写真左から製造第1グループ 職長・小林久志氏、GM・鈴木純氏

Contents 05

今後について

大西:今回の取り組みは製造第1グループ・第2グループのみなさん以外も川崎工業所全体として、さまざまなテーマで取り組みを行っていただきました。それぞれ取り組みが続ければノウハウも蓄積されていきますし、お互いのいいところを取り入れていただきたいですね。お忙しい中、大変な活動をしていただいたので(笑)

岩本氏:正直言えば、負担はそれなりにかかりました(笑)。ただ、「ゴールは現場をよくする」ということだったので、労力をかけてでもやらないといけないことだと思い活動をさせてもらいました。立ち止まることもありましたが、第2グループの職長4名、相談しやすい環境もあったので、GMも含めて話し合いをしながら進めました。活動の結果として、現場からも声を上げてもらいやすくなるという、よい効果も生まれてきました。

大西:いい効果が生まれ始めているので、活動を続けていただきたいですね。

澤井氏:弊社としても新たな設備ができるなど変化が続く中で、一人ひとりのレベルをどうやって上げていくか。教育体制をちゃんと作っていかないといけないと思っています。また、こういう改善活動を通じて、個人の仕事に対する達成感みたいなものが感じられる職場にしたいとも考えています。2・3年先を見据えて、ここでちゃんと土台を作って業務を行っていきたいですね。

小林氏:育成計画を作成後もPDCAを回していき、マイナーチェンジする必要があるところは常にしていきたいですね。あとは、みんなに仕事の楽しさを教えていけるように引き続きしていきたいと思っています。

鈴木氏:この活動をするまでモノを作る以外で、職長とチームリーダーがそろって話をする機会はあまりありませんでした。人材育成のギャップもありましたが、今回それをすり合わせることができたのはいい成果だったと思っています。活動を通じて、見える化しながら認識を同じにして、みんなで前に進んでいくことを学べたと思っているので、それを次世代に引き継いでいってほしいです。

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