ナレッジマネジメントの課題解決の取り組み手法と現状【ジェムコの技術・技能伝承(前編)】
文責:ジェムコ日本経営
様々な企業様とお話をさせていただく中で、「技術の継承・移植が出来ておらず、再雇用の継続等、ベテランの技術に頼っている」「技術標準類はあるが、メンテナンスができておらず、現状と乖離している」「コロナ禍でテレワークが進んだが、業務効率が落ちた」など、技術・技能伝承に関するお悩みをお聞きすることが多くあります。どこの企業様でもこういうお悩みをお持ちなのではないでしょうか?
※PRESIDENT 2021年10.29号に弊社の「技術・技能伝承」に関する取り組みをご紹介いただきました。「会社を強くする”経験と技術”をいかにして見つけ、残していくか『暗黙知』を伝承する」https://www.president.co.jp/pre/new/
※ナレッジマネジメントとは、知識や経験、ノウハウを社内で共有し、企業全体の生産性や競争力などを高めていくこと
目次
ベテランに技術標準類のメンテナンスを指示しているが…
「技術標準類」はあるという企業様がほとんどだと思います。
しかし、そのメンテナンスができていない、というケースは多いのではないでしょうか。
ベテランの方にそのメンテナンスをお願いしても、下記のようなことが起こりがちです。
・ 手間がかかるので、なかなかやってもらえない。
・ 作られた内容の細かさと表現がバラバラであり、統一感がない。若手が理解できない。
・ 作業標準(手順書)と技術標準が混在し、内容を理解するのが難しい。
また、そもそも「誰がわかるのか?」「どの範囲まで知っているのか?」がわからないということも起こりがちで、わかる人を探すところから始めるざるを得ないということにもなっているようです。
ベテランが若手の指導をしているが…「技術・技能伝承が上手くいっていない」
ベテランの方は、「背中を見て覚えろ」と指導されてきた人が多い世代。そのため、自分と同じ様なスタンスで指導するということもあるようです。しかし、
・ ベテランは、何を知りたいのか、なぜ理解出来ないのかがわからない。
・ 若手は、何を教えてもらいたいのかがわからない。
という状況に陥りがちです。
団塊の世代の再雇用が終わったにもかかわらず、再々雇用を余儀なくされているケースがあるようですが、「技術・技能伝承が上手くいっていない」ことにより、若手の技術力不足が原因となっていることも多いようです。
ナレッジマネジメントに取り組む企業もあるが、技術・技能伝承は「見える化」「誰もが使える仕組み」が必要
このようなお悩みを解決するために、自社で技術推進室などを設けて、ナレッジマネジメントについて様々な取り組みをされている企業様もあると思います。
しかし、「見える化」には力を入れているが、「誰もが使える仕組み」が不足していたり、その逆のことが起こっていたりすることで、なかなか上手くいっていないこともあるようです。
技術・技能伝承は、「見える化」「誰もが使える仕組み」の両輪が上手く回らないと推進できませんし、使えないものになりがちです。
後編では、技術・技能伝承を確実に行うためのポイントについてご紹介します。