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JEMCO通信

2024-06-04 働き方改革 人材育成の大切なこと

問題解決を正しく行うことで得られる3つの恩恵とは?【リーンマネジメントの深堀り知識:第3回】

寄稿:Gemba Smile

コラム「リーンマネジメントの深堀り知識」では全10回にわたり、リーンマネジメントの原則や手法に関するメリットをより詳しく深堀りし、実践的な知識を提供。全10回を通じて、リーンマネジメントのメリットをより具体的かつ実践的な視点から理解していただくことを目指します。
第3回目の今回は「問題解決とは?」「問題解決ができないとどうなる?」ということを中心にお話します。

問題解決とは?

より少ない資源で最大効果を上げるリーンマネジメント。そこで重要となってくるのは、問題解決です。

問題解決の定義を一言で言うと、「同じミスが再発しないようにすること」。では、どのように問題解決を行えば良いのでしょうか? 大切なのは、真因に対して対策を講じることです。

真因とは、その名の通り「真の原因」を意味します。問題解決を行ったにもかかわらず、問題が再発する場合、真因に対して適切な対策が取れていなかった可能性が高いです。

問題解決ができないとどうなる?

真因を解明せずに場当たり的に行う対応は「処置」であり、問題解決ではありません。これでは一時的に問題を隠せたとしても、再び対策を講じる必要が生じ、大幅な時間と労力のムダが発生します。問題の“火消し”はあたかも仕事をしているように見えるため厄介です。しかも、仕事の生産性に与える影響は甚大です。

問題解決の3つの恩恵

問題解決を正しく行うことができれば、次のような3つの恩恵を受けることができます。

1.必要なときに振り返りを行うことができ、対策の修正が容易にできる
2.スタッフ間のナレッジの深化とノウハウの進化に繋がる
3.考えるスタッフが育ち、組織が「自走」するようになる

対策を講じた後、狙い通りの効果が得られず、同じミスが起きてしまうこともあるでしょう。真因の追究と対策を正しく行っていれば、前回の分析を振り返ることで修正を行い、一からやり直すといった手間を省くことができます。

問題解決を経て、スタッフ間の知恵の共有が進みます。「なるほど、こう考えればいいのか!」と合点する若手もいれば、「その発想、いいかも!」と斬新なアイデアに感心するベテラン社員もいます。こうして、ベストな仕事のノウハウが進化し続けます。

問題解決の経験を積むと、一人ひとりの決断力、洞察力、解決力が鍛えられていきます。これらは、ナレッジワーカーに必要なスキルとして知られています。ナレッジワーカーとは、知識を活用して付加価値を生み出す人財。そうしたスタッフが増えれば、組織は「自走」に向かいます。

真因追究の落とし穴とは?

ただし、こうした恩恵は、真因に対策ができていることが前提です。残念ながら真因に行きつかず、落とし穴にハマっているケースが少なくありません。代表的な例を3つ紹介します。

1. 現状を把握できていない
2. 客観的に「あるべき姿」を定義できていない
3. 「あるべき姿」に必要不可欠な3つの要素が欠けている

報告と推定だけで、当事者や現場を直接訪ねずに分析や対策を打っていませんか?そのような場合、対策には“徹底”、“検討”や“再教育”など意味のない言葉が頻出します。「三現主義」に基づいて、現場を助ける視点でのぞみましょう。三現主義とは、「現地・現物・現実」のことです。
そもそも何が“正”なのか、「あるべき姿(標準)」がヒトによって違う場合、問題点が定まりません。なぜなら、問題解決とは、現状と「あるべき姿」の間にあるギャップを認識して、それを埋める行為だからです。

「あるべき姿(標準)」が設定できているか?3つの要素

そこで、「あるべき姿(標準)」が設定できているかがカギになります。以下の3つの要素がバラつきなく明確に決まっていなければなりません。

1.4M: 誰(Man)が、何を使って(Machine)、何を(Material)、どう(Method)するのか?
2.時間:その作業の時間は?
3.目的とリスク:この2点はその作業をするスタッフ間で共有されているか?

貴社の日々の仕事はどうですか?これは事務作業でも同じです。例えば請求書を発行するとき、上記の「1」でいうところの「何を使って(Machine)」はパソコンやアプリ、「何を(Material)」は送られてくるデータになります。ぜひ一度確認してみて、同じミスが起きない問題解決の第一歩を進めてみてください。

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