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JEMCO通信

2024-07-05 働き方改革 人材育成の大切なこと

5Sは行う順番も大切?上手くいくためのポイントとは 【リーンマネジメントの深堀り知識:第4回】

寄稿:Gemba Smile

コラム「リーンマネジメントの深堀り知識」では全10回にわたり、リーンマネジメントの原則や手法に関するメリットをより詳しく深堀りし、実践的な知識を提供。全10回を通じて、リーンマネジメントのメリットをより具体的かつ実践的な視点から理解していただくことを目指します。
第4回目の今回は「5Sとは?」「なぜうまくいかないのか?」ということを中心にお話します。

5S とは?

5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つの活動を意味します。5Sの⽬的は「異常の視える化」です。5Sはリーンマネジメントの⼀つの実践⼿法として、世界中に広まっています。

<5Sと行う順番(1から行う)>
1S=整理
2S=整頓
3S=清掃
4S=清潔
5S=しつけ

しかし、5Sのそれぞれの活動が「なぜその順番で並んでいるのか」を正確に説明できる⼈は、10⼈に1⼈もいません。
間違った順番で5Sを⾏なってしまうと、⼆度⼿間が発⽣する恐れがあります。例えば、1S(整理)と2S(整頓)を⾏わずに、3S(清掃)から始めてしまうケースが典型的な失敗例です。実は5Sには、この他にも多くの⽅が気づいていない落とし⽳があります。

なぜ5S がなかなか上⼿くいかないのか?

5Sが上⼿くいかない理由の⼀つは、「全員にとってやりやすい⽅法であるべき」という観点で⾒直しが実施できていないことです。
例えば、よく⾒られる失敗例が、事務所で改善リーダーがキャビネットの書類を、⼯場では⼯具などの場所をルール化して整理整頓を進めてしまうケースです。すると誰かが困ってしまう。ですから結局は進まない、ということになってしまいます。

このように、1S(整理)と2S(整頓)を個⼈の判断で決めてしまっては「正しい5S」とは⾔えません。なぜなら、職場における5Sの⽬的は「ユーザー(各スタッフ)」の利便性向上だからです。

なぜ、上記のような勘違いをしてしまうのでしょうか?これは、「プライベート」と「仕事」という空間の違いを正しく理解できていないことが原因です。

5S の初級・中級・上級

5Sは「プライベート」と「仕事」という空間の違いで分けられることは前述した通りです。前者の5Sで⼀世を⾵靡したのが“こんまり”こと近藤⿇理恵⽒です。近藤⽒は「家」というプライベート空間における5Sをお茶の間に広めました。
活動の⽬的は「快適性」で、判断するのは「個⼈」です。「ときめくかどうか」という尺度にしたがって、1S(整理)を⾏なうことを提唱していました。しかし、仕事の5Sはこのようにはいきません。

下表に、初級・中級・上級編として5Sの違いの⼀部をまとめました。

様々な仕事に応⽤できる「コト」の5S

次の段落で、「モノ」と「コト」の5Sの違いを深掘りしていきましょう。

その名の通り、物に焦点を当てているのが「モノ」の5Sです。デスクや事務所、⼯場などにあるものに対して⾏う5Sを指します。⼀般的な5Sは、この「モノ」の5Sを指す場合がほとんどです。
⼀⽅で、「コト」の5Sは、営業や打ち合わせなどの形のない活動に対する5S 活動を指します。下記の表をご覧ください。

例えば、「決断」は、ビジネスに⽋かせない「選択と集中」という考え⽅と同じです。やるのか、やらないのかを決めたら、その内容を「視える化」して共有、「⾒直し」を⾏って、やり⽅を標準化します。⼿順書などはこの⽅法に従って⾏っていることになります。

このように「コト」の5Sの観点で仕事の5Sをしてみませんか?まず、既存のテンプレートや会議の進め⽅、営業活動など、さまざまな場⾯で仕事の5Sが進むことを願っております。

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