サイト内検索

JEMCO通信

2024-09-03 働き方改革 人材育成の大切なこと

PDCAを回すのに欠かせないSDCAのススメ【リーンマネジメントの深堀り知識:第6回】

寄稿:Gemba Smile

コラム「リーンマネジメントの深堀り知識」では全10回にわたり、リーンマネジメントの原則や手法に関するメリットをより詳しく深堀りし、実践的な知識を提供。全10回を通じて、リーンマネジメントのメリットをより具体的かつ実践的な視点から理解していただくことを目指します。
第6回目の今回は、PDCAを回すのに欠かせないSDCAについてお話します。

PDCAが回らない本当の理由

PDCAサイクルは、事業の継続的な改善を目指す手法として広く知られています。PDCAは「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(見直し)→ Act(更新)」の頭文字を取ったもので、立てた計画を見直しながら目標達成を目指します。

しかし、日本企業の多くがPDCAを上手く回せていないのが現状です。よく見られるのが、計画された戦略や計画と現場の実行力との間のズレです。戦略がどんなに優れていても、それが実行できなければ意味がありません。これを担うのが、もう一つのサイクル、「SDCA」です。

SDCAとは?

SDCAとは、「Standardize(標準化)→ Do(実行)→ Check(見直し)→ Act(更新)」の略です。SDCAの「S(標準化)」は、業務や作業の最適な方法を標準として設定することであり、続くD、C、Aで、誰もが効率よく仕事ができるように改善し続けるサイクルです。

SDCAの目的は、このように標準を改善し続けることで、現場の実行力を高めることにあります。SDCAサイクルが確実に日々の業務に適用されれば、現場力がどんどん向上し、PDCAサイクルを効果的に回す土台を築くことができるのです。

「強い現場」の秘訣はSDCAにあり ①「強い現場」は失敗から学ぶ

「現場が強い」という表現を耳にすることがあります。こうした現場は、ほぼ例外なくSDCAサイクルが回っています。現場は一見同じように見えても、実際は生き物のように毎日変化しています。現場が日々変化する以上、「標準」も更新が必要です。

「強い現場」は、小さな変化や失敗を見逃さず、標準を更新する力を持っています。その積み重ねが独自のノウハウとして蓄積され、現場力も向上していくのです。

「強い現場」の秘訣はSDCAにあり  ②暗黙知と形式知

そのためには、標準化を通じて、暗黙知を形式知に変換することも重要です。

暗黙知とは、個人の経験から得た言語化しにくい知識やスキルのことで、ベテラン社員が持つ「勘」や「コツ」がその例です。手順書などに形式知化することで、組織全体で共有でき、誰もがやりやすい方法で仕事に取り組むことができます。例えば新入社員でもより早く確実に、最良の仕事の仕方を身に着けることができるのです。

AIに代替されない人財育成 ①AIに代替されてしまう仕事とは?

まず重要なのは、マニュアルワーカーとナレッジワーカーの違いです。

マニュアルワーカーは、指示通りに業務を行う労働者で、AIやロボットが得意とするルーチン化された業務を担当するためAIに代替されやすいです。

一方、ナレッジワーカーとは、自身の知識を活かして付加価値を生み出す労働者を指します。この言葉はピーター・ドラッカーによって提唱されました。AIには代替が難しいため、ナレッジワーカーの重要性は今後ますます高まるでしょう。

AIに代替されない人財育成 ②ナレッジワーカーが育つ仕組み

企業がナレッジワーカーを育成するには、SDCAサイクルが有効です。このサイクルを通じて、S=決断力、D=洞察力、C=解決力、A=構想力などのスキルが養われます。SDCAの実践を促進することで、AIでは代替できない、ヒト独自の能力を向上させることができるのです。

皆様の組織でも、SDCAの視点から業務を見直し、現場力を向上させてPDCAを回し、AIには代替されない人財の育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。

資料
ダウンロード
セミナー・
イベント情報