新規開発製品のコストダウンの依頼・・・コンサルタントの信念
文責:ジェムコ日本経営 営業部
◆新規開発製品のコストダウンの依頼
「チームスピリット唱和!ヨイカ?」「ヨシ!!!」
プロジェクト最終日、チーム全員での掛け声は今までで一番大きく、会議室には同志を称えあうかのような一体感が生まれていた。
ある重電メーカー様にて、新規開発製品のコストダウンの依頼を受けた。通常は半年かけてやる内容を3ヶ月でやって欲しいとのことで、ギアを一気にトップへ持っていく必要があった。設計・開発の方を中心に約15人のプロジェクトメンバーが編成されたが、キックオフの際、メンバーからこのような発言が上がった。
「今さらやってもしょうがない」「他の仕事もあるのであまり出来ないと思う」
先行きが不安になりそうな発言だが、百戦錬磨の弊社コンサルタントは特に気にしていない。
「問題無い」と。
◆前向きではない担当者が徐々に変化
実はこのような場面は良くあるのだ。コンサルを利用される場合の多くがトップの意思で行われるため、担当者からすると自分の仕事に横槍を入れられるようなもので、当然面白くないこともある。そんな、決して皆が前向きとは言えない状況の中で、プロジェクトは進み始めた。
私も進捗が気になるため、こまめに確認するようにした。達成率はどうか?メンバーの意識はどうか?
そんな中、どうしてもプロジェクトの半ばでの中間目標を達成できそうにない場面があった。
社内プロジェクトだと、時間も無い中でとりあえず次に進めていくというケースが多いだろう。
しかし、ジェムコのコンサルタントは譲らなかった。中間目標を達成するまでは頑として次のステップには行かなかったのである。メンバーはその徹底した姿勢に驚くと同時に、このままではダメなのだと理解し、目が覚めた様子だった。常にコンサルタントのスタンスは一貫していた。最後までやり切れば自ずと結果はついてくる。私はそれを信じて見守るしかなかった。
◆70%以上のコストダウンを達成
短いプロジェクト期間はあっという間に経過した。そして、プロジェクトが終盤に差し掛かった頃、目標達成の目途が立ったと連絡が入った。なんと、70%以上のコストダウンを達成したのである。
最終日になると、初日の雰囲気からは想像が出来ないくらい、メンバーのコメントがポジティブになっていたのが印象的だった。
「心の壁を取り除けた」「わかってたつもりだか、実行しないと意味が無いとわかった」「初めはガタガタだったが、徐々にうまく回るようになってきた」「これからが本番。チームワークで進めていきたい」
なぜ目標を達成できたのか。それは、「妥協しなかった」からだと思う。もしメンバーの甘い考えに同調してしまっていたら、もし中間目標を下方修正していたら、もし甘い意識が伝播してしまっていたら・・・。落とし穴はいくらでも存在したが、徹底して妥協せずプロジェクトをマネジメントできていた結果なのだと思う。
最後に。メンバーの方々が本気になって取り組まれたら不可能は無いと思い知った。
さて、私も心の壁を取り払ってやっていこう。