働き方改革の本質サロン(2)
文責:ジェムコ日本経営 取締役 小倉明男
前回は、ゲストとしてお招きした食品会社の活動事例を掲載しました。
今回は、某事業所の取り組みをご紹介いたします。
<その2>某事業所の取り組み
某事業所所長時代
東日本大震災(2011.3.11)でこの事業所は終わりかなと思った。(この時は前任の所長)
数百億円、1年かけて工場を建て直した。社員も仕事を失わず、一瞬モチベーションもあがった。
直ったのは表面的だけで、潜在的に残っている問題がある。だんだん疲弊してきた。
2013年から自分が所長になった。震災を経験していない者が言っても、ダメ。
1年間、何も言わずに、話を聞いた。
「時間がない」「人がいない」「疲れてる」・・・何か変えてあげたい。
外部活用をいろいろ検討したが、今回はJEMCOに働き方改革を頼んだ。
きっかけは、現場の人たちを少しでも楽にしてあげたいという事から始めた。
①労働時間を減らそう。どうすればいいか?考える時間がない。
そこで、会議を減らした。
・目標で30%減らす
・会議の参加者を減らす
・会議の構成を変える
事務所方は時間が減ったなと実感した。
②アンケートをとる
会社が
・良い1割
・悪い1割~2割
・分からない7~8割
「分からない」は、言いたい事はあるが言えない。隠している。
会社に言えないのであれば、第三者(ジェムコの大西さん)に聞いてもらう。(コーチング)
聞いてもらうと人は楽になる、会社での会話も増えてきた。
自分たちの“夢”を共有化してもらいたい。
<コンセプト>
・仕事を減らすのは美徳
・なんでも言える風土
課長の下のキーマンを探して、職場の不満を色々ジェムコの大西さんに聞いてもらう。
大西さんから提出されたレポートを見ると、匿名だが誰だか想像がつく。
課長もそれを聞いて、どうしたらコンセプトに繋がるか、課長とキーマンで仕事を変えていく。
期限とか効果、目標を自分たちで決めてもらう。
・自主性を持たせる
・やらされ感を持たせない
・責任は問わない(責任はすべてトップが負う)と明言する
・揉め事を課長が中に入って解決する
・仕事をゼロから見直した
・お金(予算)をつける(好きに使ってよい。使った結果だけ、報告する。)→やる気を促進
【活動の全体イメージ】
<方針が通るということが経験できた>具体的には?
・自分が現場に飛び込んでいく
・3ヶ月に1回/年4回 班ごとに(10名程度)話をする→2年間行った
・自分から現場(職場)に足を運ぶことで、コミュニケーションをとれた
現場は安全第一。上からたたかれる。職場の中の先輩には口がきけない。怖い。
・若手に主体性を持たせる
・中堅クラスが仕切ると若手が何も話せない
・ミーティングでも若手を主体におこなう
工場の基準はだんだん厳しくなるが、自己サイドで改善してもよいという部分に着手すると隠れている改善のポイントがでてくる。
次回は、自動車ディーラーでの営業マンの成績向上事例をご紹介します。