日々挑むコンサル『五省』の呟き|第一回ロジスティック現場のコスト意識に唖然!?
文責:ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 五省太郎
【注記】*「五省」については、末尾に解説があります。
守秘義務の関係もあるため、このコラム内容は、かなり一般的な話題に置き換え架空のものに編集しております。起こっている事象はよくある内容でありますが、内容の詳細については、ノンフィクションの読み物であります。予め、ご了承下さい。
第一回 ロジスティック現場のコスト意識に唖然!?
3ヶ月前から、消費財メーカー向け「サプライチェーン中期計画」策定の支援をして、取組課題毎に実行分科会を立ち上げ、今日は「資材・消耗品の削減」のチーム初会合である。この会社は、全国に工場および物流センターを要する。長年各所に資材や消耗品の購入を任せていたため、同じ段ボールにしても購入先・購入単価がバラバラ。単純にヨコ比較しただけでも単価ロスが大量に見つかる。その他パレットの購入や回収率等々、全てにおいて各工場、各物流センターが独自に行っている。全くもって合理的な「買い方・使い方」になっていない残念なパターンである。そこで、対象購入品を絞り、購入先・購入種類・購入単価・購入量・支払実績の調査を依頼。同時に、改善アプローチの仮説としていくつかの視点と着眼点を提供。次回は調査結果の内容について考察をし、改善アプローチを整理した上でコスト削減の余地(ポテンシャル)を試算する。
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ハイテク機器メーカーの物流子会社を訪問・視察。効率的な出荷物流をするための情報収集であったが、総じてコスト意識が希薄で、いささか驚いた。しかし、逆に改善余地が大きく個人的にはストーリーが見えてきた。あとは、実行するための準備として、社内の利害調整と動機付けを考えていく。いろいろとアイディアが浮かぶ。
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某化学メーカーで、物流関連資材コストに関するワーキング会合をしてきた。廃棄物が有価物として売却できることに着目。また、元請会社との契約内容を確認すると、先方義務事項が守られていないことが判明した。がしかし、メンバー自体の自覚はあまりないのに「唖然」とした。ただ、このような事態は総じてどこの会社でも散見される。物流機能として極めて重要な契約内容を詳細に把握できていないケースの何と多いことか!
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某素材メーカーの物流センターへ。プロジェクトリーダーと現場視察、物流の中核センターと営業所に訪問。やっぱり、現場に行けば新しい改善の視点やネタがあると感じた。現場の人たちは日常や常識に縛られているため、意外と、ロスに気がついていないようである。
*五省とは・・・
一、至誠(しせい)に悖(もと)る勿(な)かりしか(真心に反する点はなかったか)
一、言行に恥ずる勿かりしか(言行不一致な点はなかったか)
一、気力に缺(か)くる勿かりしか(精神力は十分であったか)
一、努力に憾(うら)み勿かりしか(十分に努力したか)
一、不精に亘(わた)る勿かりしか(最後まで十分に取組んだか)
昭和7年 海軍兵学校校長の松下元(まつしたはじめ)少将の発案。毎日の自習終了5分前に瞑想し、その日の自分の行動を省み、深く自己を見つめ、自省自戒したといわれている。
つまり、他部門や他人のせい(他責)にしてはならないということ。コンサルタントの基本心得であり、「立派な人間」としての基本的な資質でもある。