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JEMCO通信

2025-01-09 生産の基本論

生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第18回 遊休設備のムダ】

文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊

皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。これからこの「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしてまいります。
18回目の今回は、「遊休設備のムダ」についてです。前回のコラムで、「価値を高めていないモノ」について話をしました。今回はその中でも「遊休設備」について、事例をもとに見ていきます。

遊休設備の配置を変えるだけでモノの流れが良くなった事例

ある工場を拝見した時のことです。
たくさん機械が並んでいるなかで、動いていない設備が何台も置いてあります。しかも、その遊休設備は工程のあちらこちらに点在しています。それがスペースを圧迫しているし、動線を長くしていました。
動いていない設備がある理由を尋ねると「その設備を使用して生産していた製品の仕様が変わって、もうほとんど使わなくなった」との事でした。

では、何故撤去しないのでしょうか?
理由は「全く使わないわけではない。1年に何回かはその設備を使う製品の注文が来る。だから撤去できない」ということでした。
では「どこかに集約して、使うときだけそのエリアを稼働させてはどうか」と提案したところ、即実施されました。以前の姿が当たり前と考えられていてこのことに気づかなかったのです。
これは遊休設備の配置を変えるだけで、それに邪魔されていたモノの流れが良くなった事例です。

遊休設備がいかにロスを生むか

また、それらの遊休設備はほこりをかぶっていて、すぐ使えない状況にありました。設備の上にいろいろなモノが乗せてあり、半分物置になっていました。ですから、そのような不要なモノはすぐ撤去してもらいました。そうすることで、職場の風景が変わって見えます。
遊休設備がいかにロスを生んでいるかがよく分かった例でした。

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