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JEMCO通信

2025-02-19 生産の基本論

生産の基本論~ものづくりの達人になるためにおさえるべきツボ~【第24回 設備のパフォーマンス】

文責:ジェムコ日本経営 コンサルタント 原 正俊

皆さんは、「IE」という言葉をご存じでしょうか?IEは、Industrial Engineering の略称で「生産工学」などと呼ばれ、「生産性向上」と「原価低減」を行うものです。これからこの「IE」の考え方に関する情報をコラムでお届けしてまいります。
24回目の今回は、「設備のパフォーマンス」についてです。

設備の生産性を高める2つの方法

設備の生産性を高めるのは大きくは2つの方法です。

●故障などで停止する時間を短くすること
●設備パフォーマンスを上げること

では、設備のパフォーマンスはどのように表現され、また何によって決定されるのでしょうか。

パフォーマンスを示す指標

パフォーマンスを示す指標として代表的なものは、時間当たりの生産数量や加工メーターなどです。単位作業を行うのにかかる時間も指標として用いられます。
設備のパフォーマンスを決定している要因は、実に多くのものがあります。
モーターの回転数、シリンダーのスピード、火力、流量、プログラムなどなど、いろいろな要素が組み合わさってその設備の能力が決定されます。

設備のパフォーマンスを挙げる活動

設備のパフォーマンスを挙げる活動では、まずこの設備能力決定要因の抽出から始まります。
例えば、攪拌機であれば攪拌シャフトの回転数やトルクのほかに、攪拌ブレードの形状や強度、枚数、位置などいろいろな因子があります。これらのどれが生産性に影響を与えているかを見つけ出していくことが必要です。
実は、これを正しく抽出することが難しいものです。見落としている因子があるからです。
因子が抽出できたらその最適条件を見つけ出していくことになります。これには、実験計画法などのいろいろな手法があります。うまく因子と条件を組み合わせて最適なものを見つけ出していくということは、地道な活動ですが、大きな効果を生み出すためには避けて通れないものです。

事務作業や間接業務など応用範囲は広い

この考え方は何も設備だけでなく、いろいろなところに応用できます。人の手作業でも使えます。
人の作業のパフォーマンスを決定している要因は何か?例えば、モノの位置、工具の種類、作業台の高さ、温度、湿度、照明など、因子を見つけ出して、それを最適化するのです。
事務作業や間接業務など応用範囲は広いはずです。自分たちの仕事をそのような考え方で眺めると、今までと違ったアイデアが生まれるかもしれません。

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